ARUHIのフラット35は本当にお得なのか

ARUHIのフラット35は本当にお得なのか

ARUHIの仕組みが分かると、金融機関の商品や住宅ローンの仕組みが分かってきます。最近は、他行の商品を扱っている金融機関やフランチャイズを展開している金融機関があり、複雑化しています。ARUHIを理解すると全体像が見えてきますので、住宅ローン選びに役立ててください。

フラット35の借入先候補となるARUHI

ネットを検索して初めて、ARUHIという金融機関を知った人は多いでしょう。ARUHIは銀行ではなく、フラット35を扱う金融機関ですので、住宅ローンを利用する人でなければお目にかかれません。このARUHIの商品から、どうすれば自分に合った商品を選ぶか考えていきます。なお、私のお客様にはARUHIを使う方もいれば、使わない方もいます。私は情報をお伝えするだけで、選ぶのはお客様自身ですので、私が強く勧めたり、逆に止めるよう忠告することはありません。ただ間違った認識で選ばないようにアドバイスしております。

ARUHIのフラット35はお得なのか

「ARUHIのフラットは他のフラットより金利が低い」として勧められたことはあるでしょう。実際に、一定額の頭金が必要ですが、金利水準は低いです。ただもう少し、住宅ローンについて知らなければ、単純に「ARUHIはお得と勧められた⇒ネットで確認したら本当だった⇒ARUHIにした」というロジックで借入先が決まってしまいます。住宅ローンに限らず、商品を選ぶ際には、このような思考が見られるのではないでしょうか。

様々な金融機関と十分に比較検討した上でARUHIを選ぶ分には問題ありませんが、何も検討せずARUHIを選んだとすると、実際には負担が大きくなる可能性もありますので、注意が必要です。

そもそもARUHIのフラットはほかのフラットとは別商品

フラット35には買取型と保証型があります。買取型は決められた範囲内でしか金利が決められず、ほとんどの金融機関で最低金利を採用しています。一方、保証型は住宅金融機構が保証会社となる住宅ローンで、買取型とは全く別の商品です。大多数は買取型であるため、保証型のARUHIは特徴的に見えます。ARUHIだから金利が低いのではなく、保証型だから金利が安いと認識した方が比較しやすくなります。しかし、2019年1月現在、広島銀行が新たに加わりましたが、保証型を扱う金融機関は4行(ARUHI、広島銀行、日本住宅ローン、財形住宅金融株式会社)しかありません。

さらに、保証型を取り扱う金融機関のうち、一般的に利用できるのはARUHIか広島銀行となります。日本住宅ローンは、積水ハウス、大和ハウス工業、住友林業、セキスイハイムで住宅を建築・購入した場合に適用され、財形住宅金融株式会社は勤め先の会社で利用している必要があります。つまり、フラット35で金利が低く、広く一般的に利用できる住宅ローンはARUHIのみとなります。

ARUHIには買取型もある

ARUHIには買取型もあり、買取型の金利は他の金融機関と同じく最低金利を採用しています。そのため、保証料が元々ないフラット35ですので、差が出るのは主に事務手数料となります。ARUHIの保証型ではなく買取型で借り入れる場合は特に注意が必要です。

「ARUHIはお得と勧められた⇒ネットで確認したら本当だった⇒ARUHIにした」というロジックで考えた場合、最初の「お得」は保証型を指すことが多く、「保証型は選ばなかった⇒でもARUHIはお得でしょ?⇒ARUHIにした」というロジックになると、比較していないことになります。

そもそもフラット35の保証型は、頭金2割(融資率80%以下)という条件で金利が優遇されるため、これまで十分に準備してきた人しか利用できません。住宅金融支援機構は保証型の取り扱いを増やす意向ですが、現状では「保証型ならARUHI」というロジックはある程度成立します。しかし買取型の場合は、商品が別ですので、他の金融機関と比較しなければ負担が増える可能性があります。

分かりにくい「直営店」と「FC店」の違い

ARUHIには「直営店」と「FC店」があります。FC店は、たとえば保険代理店がフラット35の取次店となっている店舗です。ここで先ほど説明した「保証型ならARUHIというロジックはある程度成立します」の「ある程度」としたことに触れていきます。

ARUHIの事務手数料は借入金額×2.0%(税別)が標準となっており、ネット完結の「ダイレクト」を利用すると、事務手数料が1.0%となります。しかしダイレクトを利用できるのは、一般のフラット35で、保証型では利用することができず、FC店で手続きする必要があります。金利が低く、事務手数料が1.0%であれば他の金融機関よりかなりお得なのですが、事務手数料は2.0%ですので、借入条件によっては買取型で事務手数料の低い金融機関の方がお得になる可能性もあります。

この事務手数料1.0%の差は「FC店」の儲けになる部分だと考えられます。このこと自体はいいのですが、「ARUHIはお得と勧められた⇒ネットで確認したら本当だった⇒ARUHIにした」というロジックや「保証型は選ばなかった⇒でもARUHIはお得でしょ?⇒ARUHIにした」というロジックだけでは、本当に負担の軽い商品を選べない可能性があります。確かにシミュレーションをして比較すると、ARUHIの総支払額は少ないことが多いですが、誰にでも当てはまるわけではありませんので、注意が必要です。

「直営店」と「FC店」のもう一つの違い

フラット35に決めている人にとってはあまり関係ありませんが、原則、「直営店」ではフラット35の取り扱いはありません。直営店で扱っているのは、他行の商品となります。最近は、他行の商品を扱うケースが見られ、複雑化しています。ARUHIの場合、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、楽天銀行の商品を扱っていますが、一般的に「間にもう一社入れば」手数料が発生します。そのため、十分比較して検討しなければなりません。

条件によっては、他社の保証型の方がお得になることも

「ARUHIはお得と勧められた⇒ネットで確認したら本当だった⇒ARUHIにした」というロジックで選ぶことは、自ら「より負担の軽い住宅ローンを利用する」ことを放棄したことと同じです。たとえば、ハウスメーカーと提携で保証型が利用できる日本住宅ローンの場合、事務手数料は借入金額×1.42%となっており、適用金利はARUHIと同じです(おそらく、住宅金融支援機構が保証できる最低金利で、ARUHIも日本住宅ローンも最低金利を採用していると考えられます)。

そもそも物件価格が高いことなど総合的な判断が必要ですので、宅ローンのためだけにハウスメーカーを絞るのも危険です。ただ提携ハウスメーカーでも問題ないという人にとっては、選択肢の幅が広がります。無意識に選択肢を減らしてしまわないようにしなければなりません。

スーパーフラットは金利がかなり低いが、実は・・・

ARUHIの保証型は他の金融機関が扱うフラット(機構買取型)に比べ、金利が低いことが魅力です。さらに事務手数料が「融資金額×1%(税抜)」となっており、諸費用も低く設定されています。情報サイトでも「1%」が強調されて、第一候補にする人も多いでしょう。しかし商品を選ぶ際には、相談し、見積もりをもらい、契約直前まで油断はしない方が賢明です。契約直前でも再考する勇気が必要です。

スーパーフラットは頭金を購入価格の2割以上準備すれば利用できるフラット35(保証型)です。しかしスーパーフラットはweb完結の「ダイレクト」を利用できないため、事務手数料は2%(税抜)となり、基本的にFC店で手続きするしかありません(直営店では扱っていない)。

どこかの段階で、事務手数料1%は適用されないことに気づくと思いますが、契約直前に気づいたとしても、一旦持ち帰り、比較検討し直さなければなりません。契約直前になると、考えようとする意思が弱くなり、「それほど変わらないだろう」と根拠のない理由で選んでしまうことになります。

スーパーフラットの事務手数料が2%であることは、公式サイトを探すと分かるのですが、普通の人は気づかないと思います。住宅ローンの商品に限らず、様々な場面で見られますが、不利なことは積極的に、強調して説明せず、淡々と、重要であることを感じさせないよう説明します(あくまでも一般的な話です)。少しでも気になったことはその都度指摘しなければ、決して自分に合った商品選びはできないでしょう。

ARUHIから自分に合った商品の選び方を考える

ARUHIの商品は公式サイトを十分見ないと、仕組みが分からないため、ここで、ARUHIから自分に合った商品の選び方を紹介しておきます。

・条件が変われば、もう一度、比較検討する
 ※保証型から買取型は大きな変更
・申し込む窓口によって条件が異なる可能性あり
・ランキングや「安い」、「お得」というイメージに引きずられない

「ARUHIのフラット35は本当にお得なのか」まとめ

私も住宅ローンの特徴を調べる際には公式サイトを隅から隅まで読みますが、それでも理解できない場合があります。不明な点は直接電話で問い合わせていますが、この記事にはその際の情報も盛り込まれています。ある程度の知識を持っていても理解できない内容がありますので、これから住宅ローンの借入先を選ぼうとしている人は分からないことだらけではないでしょうか。

フラット35の物件検査の基礎知識

フラット35の物件検査の基礎知識

フラット35は「S」ではなく、一般的なタイプであっても検査が必要です。注文住宅であれば、現場検査や中間検査、竣工検査など建築段階で検査します。新築マンションや中古マンションは、すでに不動産販売会社等が検査済みとして販売していることもあり、このような物件であればフラット35を利用することができます。検査済みの物件は検索して確認することができますので、下記のサイトで探してください。

▼住宅金融支援機構「フラット35登録マンション検索」

[blogcard url=”https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/document/index.php?module=Mansion&action=Search”]

▼住宅金融支援機構「中古マンションらくらくフラット35検索」

[blogcard url=”https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/f35ums/”]

注文住宅では検査手数料が必要

注文住宅の場合、これから検査をしますので、検査機関を比較検討しなければなりません。真っ先に気になるのは、検査手数料でしょう。検査機関は下記のサイトから検索することができます。また、建築するに際し、フラット35の検査以外にも、建築基準法に基づく検査や瑕疵担保責任保険の現場検査がありますので、同一の検査機関で重複する検査であれば手数料がかからないケースもあります。なお、建築会社が検査機関を兼ねていることはありません(※電話確認済み)。

▼住宅金融支援機構「適合証明のお問い合わせ窓口」

[blogcard url=”https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kensakikan/index.php”]

未検査の新築住宅は特例申請を利用する

希望する物件が未検査だった場合、そのままではフラット35を利用することができません。その場合、「竣工済特例」を利用し承認されれば検査済みとしてフラット35を利用することができるようになります。

▼住宅金融支援機構「既に竣工してしまった物件の特例的な物件検査(一戸建て等)」

[blogcard url=”https://www.flat35.com/business/inspect/tech_tokurei.html”]

フラット35をダブルで利用!ダブルフラットの特徴とメリット・デメリット

フラット35には、ダブルフラットと呼ばれる商品があります。「ダブル」というぐらいですから、フラット35を2本利用した住宅ローンですが、あまり聞いたことがないかもしれません。

一般的にフラット35の金利は民間の長期固定金利より低く設定されており、フラット35の利用をお考えの人にとっては選択肢の一つになるでしょう。

そこで今回は、ダブルフラットの特徴、メリット・デメリットを紹介していきます。

ダブルフラットの特徴

ダブルフラットは借入期間の異なるフラット35を2つ組み合わせ、短い方のフラットが終了後に毎月の返済額が減り、返済負担を軽減させることができます。ダブルフラットの組み合わせは次の3パターンです。
・フラット20+フラット35
・フラット35+フラット35
・フラット20+フラット20
フラット20は借入期間が20年以下のフラットを指し、金利は借入期間21年以上のフラット35より低くなっています。

 

ダブルフラットのメリット

たとえば「フラット20+フラット35」で組み合わせた場合、当初20年が終了すれば毎月の返済額は減少します。どうしても退職後も返済し続けなければならない場合でも、フラット35の15年分だけの返済となりますので、返済負担は軽減されます。20年後を退職時に合わせるなど計画的な返済をすることができます。

また借入金の一部を金利の低いフラット20を利用しますので、すべてフラット35で借り入れるより、利息の負担を軽減することができます。

 

ダブルフラットのデメリット

同じく「フラット20+フラット35」で組み合わせた場合を考えますと、当初の20年間の返済額が増える可能性が高く、返済できるかどうかが問題となります。本来なら全額35年間で支払うところ、一部とはいえ返済期間を20年間に短縮していますので、誰でも利用できる方法ではありません。加えて、借入期間の下限が15年となっていますので、15年以内で組むことはできません。

またダブルフラットは2本の契約を結ぶため、金銭消費貸借契約や抵当権設定などの手続きが必要となり、融資手数料や印紙税、司法書士への報酬、登録免許税がそれぞれにかかります。加えて、ダブルフラットを利用できる金融機関が限られており、選択肢が少ないこともデメリットとして挙げられます。

ダブルフラットの概要

ダブルフラットの条件や借入可能額など商品概要を紹介します。

申込先 2本とも同一金融機関
申込時年齢 ・申込時の年齢が満70歳未満
 親子リレー返済をご利用の場合は、満70歳以上も申込み可
総返済負担率 ・年収400万円未満30%以下
・年収400万円以上35%以下
資金使途 ・申込み本人または親族のための新築住宅の建設・購入資金または中古住宅の購入資金※借換えも対象
床面積 ・一戸建て70㎡以上
・マンション30㎡以上
借入額 借入合計200万円以上8000万円以下
かつ、建設費・購入価額以内
借入期間 15年以上
借入金利 借入期間(20年以下・21年以上)、融資率(9割以下・9割超)、加入する団体信用生命保険の種類などによって、借入金利が異なる。
※借換えの場合は、実際の融資率にかかわらず融資率9割以下の金利が適用される。
返済方法 元利均等毎月払いまたは元金均等毎月払い
保証人 不要
 

ダブルフラット取り扱い金融機関

ダブルフラットを取り扱っている金融機関は、都市銀行ではりそな銀行、埼玉りそな銀行のみで、ほとんどが地銀、信用金庫、信用組合、労働金庫です。日本住宅ローン株式会社や株式会社ハウス・デポ・パートナーズなどでも取り扱っています。都市銀行の大部分やネット銀行等では取り扱っていませんので、ご注意ください。

まとめ

ダブルフラットは、民間で住宅ローンを2本組むのと同じ仕組みです。当初の返済が問題ないか確認し、2本契約することによる諸費用を検討しなければなりません。ダブルフラットのデメリットよりメリットが気になる人は検討してみてもいいのではないでしょうか。

住宅ローンにおける連帯債務者と連帯保証人とは?それぞれの特徴と違い

住宅ローンを一人で利用する場合には権利関係は単純ですが、夫婦で住宅ローンを利用する場合、連帯債務者や連帯保証人など専門的な法律用語が出てきます。

契約時に説明を受けると思いますが、何となく「とにかく返済すればよい」と思い、あまり深く理解しようとしないかもしれません。確かに順調に返済していれば問題ありませんが、返済計画に影響が出ると連帯債務者か連帯保証人かの立場が重要になってきます。

そこで今回は、将来の不安を少しでも解消するためにも連帯債務者や連帯保証人について理解を深めておきましょう。

住宅ローンの連帯債務者の特徴

連帯債務は民法第432条に規定されています。
「数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」

たとえば夫Aと妻Bでそれぞれ互いに連帯債務者になっているとします。
夫婦ともに住宅ローンの債務者となり、3000万円を均等に返済する場合は、それぞれ1500万円の借金を負い、また住宅ローン控除はそれぞれ1500万円が対象となります。

ただ連帯債務は民法上、金融機関は3000万円をそれぞれに全額請求することができます。片方だけに3000万円全額を請求することもできます。実質的には夫婦それぞれ3000万円の債務を負っていることになります。

なお連帯債務の場合、住宅ローンは1本となりますので、住宅ローン控除は負担割合に合わせて適用できるものの団体信用生命保険への加入は1名とみとなります。

住宅ローンの連帯保証人の特徴

保証は民法第446条、連帯保証は民法454条に規定されています。
「保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」
「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない」

連帯保証人は、主な債務者が返済しない場合に返済する義務が生じます。この時、連帯保証人は主な債務者に請求するよう要求できず、返済しなければなりません。たとえば夫が3000万円を借り入れ、妻が連帯保証人になった場合、夫の返済が滞ると、妻に支払いの請求が行くことになります。

連帯保証人は「返済できない場合に」返済の義務が生じますが、連帯債務者と同様、3000万円の返済義務が生じるため、基本的な責任は同じとなります。

住宅ローンのペアローンの特徴

では、住宅ローンのペアローンはどのような特徴があるのでしょうか。連帯債務者と連帯保証人は借入金3000万円を支払う責任がありました。ペアローンの場合は、連帯債務者とは違い、完全に別々の住宅ローンを組みます。

たとえば夫が1500万円、妻が1500万円のローンを組むと連帯債務者と同様、それぞれ住宅ローン控除の適用を受けることができます。ただ契約を2本組みますので、契約にかかる手数料はそれぞれかかります。

連帯債務者・連帯保証人・ペアローンのまとめ

連帯債務者、連帯保証人、ペアローンについて解説してきましたが、それぞれ住宅ローンにかかる影響についてまとめると次のようになります。

連帯債務 連帯保証 ペアローン
 住宅ローン控除  2名  1名  2名
 団信加入  1名  1名  2名
 手数料  1名  1名  2名
 持分  2名  1名  2名

各金融機関の取り扱い

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まとめ

住宅ローンを夫婦で利用するときには少し複雑になりますが、理解しておけばその分、不安要素を減らすことができます。最近は夫婦共働き世帯が多く、実際の相談でも1名で組んだ場合、2名で組んだ場合の違いをシミュレーションすることがあります。気になる場合は具体的にシミュレーションをして比較検討してください。

住宅ローンの基準金利と優遇金利何が違うの?

住宅ローンの借入先を検討する際、金利は非常に大切な比較ポイントとなります。しかし金融機関のサイトを見ると、「金利」や「優遇金利」と書かれており、詳細ページには基準金利や適用金利などの言葉も見られます。

住宅ローンにおける金利は、一律に決まっているのではなく、固定金利や変動金利など金利タイプによって異なるだけでなく、審査によっても変わってくる金融機関もあります。

そこで今回は、住宅ローンの金利はどのような意味があるのか解説していきます。

住宅ローンの金利には基準金利と優遇金利がある

住宅ローンの金利には基準金利と優遇金利があります。基準金利は店頭金利と呼ばれることもあります。基準金利(店頭金利)は金融機関が毎月決定する基準となる金利です。たとえば住宅ローン変動金利型の基準金利は2.475%としている金融機関が多く、近年、変動しておりません。

住宅ローン変動金利型に基準金利をそのまま適用すると2.475%ですが、ここから相談や審査を通して、金利を引き下げ、実際に適用される金利が優遇金利となります。優遇金利が適用金利となることがほとんどです。

住宅ローンの優遇金利の取り扱い

住宅ローンの金利を確認する際、条件によって金利が異なるため、適用金利がどれになるか分からないことがあります。

都市銀行などでは、審査によって金利引き下げ幅が異なり、審査結果を確認しないと適用金利は分かりません。一方、ネット銀行などに多いのは、金利引き下げ幅が決まっており、優遇金利で借りられるかどうかの審査を行うケースです。

審査の結果で金利引き下げ幅が決まる金融機関は、公式サイトの金利ページに「引き下げ幅の範囲」が▲1.700%~▲1.200%などと書かれていますので、すぐわかるでしょう。

住宅ローンの優遇金利の適用期間を確認する

住宅ローンの基準金利と優遇金利について解説しましたが、適用される金利はほとんどの場合で優遇金利ですので、注目すべきは優遇金利となります。

しかし優遇金利が適用される期間が商品によって異なりますので、事前に確認が必要です。適用される期間は主に次のとおりです。
・通期(全期間)
・当初(固定金利特約期間中)

「通期」は借入期間中ずっと同じ金利引き下げ幅となりますので、あまり気にすることはありませんが、「当初」のみ優遇される場合には注意が必要です。

たとえば固定10年の場合、当初10年間だけ適用される引き下げ幅と10年経過後に適用される引き下げ幅があり、一般的に引き下げ幅は少なくなります。固定金利期間終了後のシミュレーションをしっかりしておけば借入前に返済額は分かります。必ずシミュレーションしてから判断しましょう。

まとめ

住宅ローンの金利といっても、基準金利や店頭金利、優遇金利、適用金利と様々な金利があることを紹介しました。基本的には店頭金利=基準金利、優遇金利=適用金利ととらえておき、あとは借り入れる予定の金融機関で金利について確認すればいいでしょう。

住宅取得でかかる物件の諸費用と融資の諸費用

住宅取得時には、住宅購入費用や建築費用だけでなく、様々な費用がかかります。住宅取得資金と一緒に諸費用も借り入れることができますが、できる限り負担を軽減したい人は諸費用だけでも現金で支払った方がいいとお考えでしょう。

そこで今回は、住宅取得でどのような費用がかかるか、物件にかかかる諸費用と融資にかかる諸費用について解説していきます。

物件にかかる諸費用と融資にかかる諸費用

住宅取得では、不動産販売業者や建築会社に支払う物件にかかる諸費用と金融機関に支払う融資にかかる諸費用があります。どのような費用があるか確認しておきましょう。

 

物件にかかる諸費用

物件にかかる費用には次のようなものがあります。
・不動産取得税
・固定資産税
・収入印紙税
・火災保険料や地震保険料

融資にかかる諸費用

融資にかかる費用には次のようなものがあります。
・収入印紙税
・事務手数料や保証料
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
・団体信用生命保険料

その他の諸費用

他に次のようなものがあります。
・引越費用
・家具や家電費用
・雑費(転居案内・近所へのご挨拶等)

住宅別の物件・融資にかかる諸費用

ここまでは物件と融資に分けて必要な諸費用を紹介しましたが、ここからは新築一戸建てや新築マンションなど住宅別の物件・融資にかかる諸費用を見ていきます。

新築一戸建て

土地
 ・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
 ・仲介手数料
 ・固定資産税(清算金)
 ・不動産取得税
 ・収入印紙税
建物
 ・つなぎ融資
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)

中古一戸建て

・不動産取得税
・固定資産税(清算金)
・収入印紙税(売買契約書)
・火災保険料や地震保険料
・収入印紙税(金銭貸借契約書)
・事務手数料や保証料
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
・団体信用生命保険料
・仲介手数料

マンション

・不動産取得税
・固定資産税(清算金)
・収入印紙税(売買契約書)
・火災保険料や地震保険料
・収入印紙税(金銭貸借契約書)
・事務手数料や保証料
・登記費用(司法書士への報酬・登録免許税)
・団体信用生命保険料
・修繕維持積立基金
・管理費、修繕積立金、駐車場代等の前納分
・仲介手数料

物件にかかる諸費用と融資にかかる諸費用まとめ

住宅取得に際し、様々な諸費用がかかることが確認できたのではないでしょうか。諸費用は新築物件では、物件価格の5%前後、中古物件では10%前後かかるのが一般的です。住宅取得に向けてしっかり資金計画を立てておきましょう。

住宅ローンの融資率とは?融資率で金利が下がる

住宅ローンの融資率は、頭金(手持金)をどのくらい準備するか、と同じ意味があります。頭金が多ければその分、借り入れる金額は少なくなりますので、ローン負担は減少するでしょう。

頭金を増やすことは住宅ローンの融資率を下げることですが、ローン負担の減少だけでなく、適用される金利を下げることもできます。

そこで今回は、融資率の意味と融資率を下げることで金利を下げられる金融機関を紹介します。

住宅ローンの融資率とは

住宅ローンの融資率とは、物件価格に対する融資金額の割合です。たとえば物件価格3,000万円で全額住宅ローンを利用すると融資率は100%、頭金を300万円準備してのこり2,700万円借りれば融資率は90%となります。

住宅ローンの融資率を下げるメリット

住宅ローンの融資率を下げる、つまり頭金をできるだけ多く準備するメリットは借入金額を減らし、利息の返済額を減少させることですが、これ以外にもメリットがあります。

最近の金融機関では融資率が90%以下と90%超とで金利に差を設けています。80%をラインとしている住宅ローンもあります。融資率90%なら頭金は物件価格の1割、80%なら2割となり、これ以外に諸費用も現金で支払う必要があります。

頭金など住宅取得へ向けて準備をしていることは、貸し手である金融機関にとっても信用度が高くなり、その分、金利は優遇されています。単に借入金額が減少することによる利息負担の軽減だけではありませんので、抑えておきたい点です。

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まとめ

融資率は低いことに越したことはありませんが、頭金を準備することで貯蓄が減るため、必ず融資率を低くしなければならないという訳ではありません。ただ融資率が低いとさらなる優遇金利を適用してもらえるため住宅ローンの負担が軽くなることは確かです。総合的に考えて、どのような借入条件にするか決めましょう。

住宅ローンの負担を軽減できる一部繰り上げ返済

一部繰り上げ返済は、住宅ローンの利息負担を減らす方法としてご存知かもしれません。ここでは、一部繰り上げ返済の特徴と2つの返済タイプ、各金融機関の手数料について解説していきます。

住宅ローンの一部繰り上げ返済

住宅ローンの借入後に負担を減らす方法として、一部繰り上げ返済、借り換え、金利タイプの変更があります。この中で一部繰り上げ返済は比較的手軽にできる負担軽減法と言えます。

一部繰り上げ返済は、毎月の返済とは別にまとまった返済をする方法で、どの金融機関でも取り扱っています。ただ一部繰り上げ返済による手数料の有無や返済額の基準など金融機関で異なる点もありますので注意が必要です。

住宅ローン一部繰り上げ返済の2つのタイプ

一部繰り上げ返済には2つのタイプがあります。期間短縮型と返済額軽減型です。家計の状況によってふさわしいと思う方を選びましょう。

 

住宅ローン一部繰り上げ返済、期間短縮型

期間短縮型は、完済時期を早める方法です。たとえば借り入れ時に70歳が完済時であっても、繰り上げ返済で65歳を完済時期にし、退職前に住宅ローンを終わらせることができます。完済時期が遅くて心配な人は期間短縮型を選びましょう。

住宅ローン一部繰り上げ返済、返済額軽減型

返済額軽減型は、毎月の返済額を減らす方法です。毎月の返済額を減らし、家計のやり繰りをしやすくすることで、生活にゆとりがでます。ただある程度まとまった資金で繰上げ返済をしないと実感できるほど返済額を軽減させることができません。

住宅ローン借入前に確認しておきたい手数料

一部繰り上げ返済の手数料は無料としている金融機関が多いですが、窓口や電話での返済は手数料がかかることもあり、借入前に確認しておいた方がいいでしょう。

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住宅ローンの負担を軽減できる一部繰り上げ返済まとめ

一部繰り上げ返済をすることで利息の負担を下げることができます。借り換えに比べて手軽に負担を軽減できますので、変動金利で金利が上昇した場合などにもリスク回避の方法として使うことができます。

教育費など他の支出が続いている時期は難しいかもしれませんが、3年ごとや5年ごとなど一定金額が貯まるたびに定期的に一部繰り上げ返済する人もいらっしゃいます。

無理のない範囲で返せるときに返し、利息額を減らしましょう。

借り換えを行った場合の控除対象となる年末残高

原則、借り換えの場合、住宅ローン控除は受けられない

住宅ローン控除は、住宅取得のためのローンを対象にしており、ローンを完済するための住宅ローンは対象外です。しかし、一定の要件を満たせば、借り換えによる住宅ローンでも住宅ローン控除の適用を受けることができます。適用を受けるためには、借り換えによる借り入れであることが明らかである、かつ住宅ローン控除の適用要件を満たしている必要があります。特に新しい住宅ローンの返済期間が10年以上であることに注意しておきましょう。

借り換え時の年末残高の計算方法

住宅ローン控除は年末残高に控除率(1%)をかけて求めます。借り換えでは、借り換え前の住宅ローン残高よりも新しい借入金が多い場合と同額の場合、新しい借入金よりも借り換え前の住宅ローン残高が多い場合が考えられます。

・旧:借り換え前の住宅ローン残高
・新:新しい住宅ローンの借入金額

「旧」≧「新」

この場合、新しい住宅ローンの年末残高に控除率をかけます。

<例1>
・旧:2,000万円
・新:2,000万円
・新残高:1,900万円
⇒ 1,900万円×1%=19万円

<例2>
・旧:2,500万円
・新:2,000万円
・新残高:1,900万円
⇒ 1,900万円×1%=19万円

<例2>は、借り換えと同時に一部繰り上げ返済をした場合などに該当します。

「旧」<「新」

少し複雑ですので、例で解説します。

<例3>
・旧:2,000万円
・新:2,500万円
・新残高:2,400万円
⇒ 2,400万円×2,000万円/2,500万円×1%=19.2万円

<例3>は借り換え時の諸費用も含めれ借り入れた場合などが該当します。

念のためお近くの税務署に相談を

住宅ローン控除の要件を満たしているか、ご心配な方は、お近くの税務署などに相談し、控除が適用されるかどうか確認するようにしましょう。

住宅ローンの総支払額が少ない方がよいとは限らない場合もある

一般的には住宅ローンの総支払額は少ない方がいい

住宅ローンの総支払額は、このサイトでは諸費用を含めた総返済額を指すことにしています。金利はもちろん、金額が大きい事務手数料の額で金融機関の差がつきますが、一般的には総支払額は少ない方がいいでしょう。ただ情報サイトを中心に「総支払額が少ない方がいい」ことが前提条件になっており、疑問を挟む余地がありません。住宅ローンには審査がありますので、総支払額が少ない金融機関で借りられるとは限らないですが、そもそも「自分に合った商品を選ぶ」という視点がないため、最も総支払額の少ない住宅ローンを選ぶことを金科玉条としています。

商品販売をしていないファイナンシャルプランナーが持つ強みの一つは、家計の状況やご家族の考え方に合わせたアドバイスができることです。誰もが同じ方向に進んだり、同じ手段を取るのであれば、簡単ですが、そうはいきません。ファイナンシャルプランナーとして独立している方々の記事を読むと、柔軟性が読み取れ、その違いが分かるでしょう。

住宅取得資金を貯めるか借りるかどちらがいい?

大雑把に言うと、支出への対応は貯めるか借りるかの二通です。基本的に借りるより、貯めてから支出した方が利息を支払う必要がないか少なくなり、家計への負担は少なくなります。しかし、すべての支出に対して「貯金」するのは難しいかもしれません。教育費は保険で貯めるが、自動車はローンを利用するなど、様々な場面で使い分けしていると思います。

つまり、頭金を住宅取得資金の2~3割あった方がいいという考え方も納得できますし、たとえ十分な住宅取得資金があっても全額住宅ローンで借り入れた方がいいという考え方も納得できます。基本的には利息の支払額は少ない方がいいため、頭金があった方がいいですが、どの方法がいいかは、家計の状況次第です。個人相談などで、家計に関する相談をしていく中で、長期的な視点で結論が自然に出てくるご家庭が多いです。

総支払額が少なくても借入時の負担が大きい場合は?

上記の表は、ある条件のもとでシミュレーションした場合の利息額と事務手数料の額です。ARUHIと楽天銀行を比較すると、金利が低い分、ARUHIの方が利息額は少なく、事務手数料は2倍ですが、負担は軽いことが分かります。つまり、「35年間の長期」で考えるとARUHIの方がいいでしょう。

しかし実際には、借り入れ時に65万円ほど支払わなければなりません。借り入れ時には他にも様々な費用がかかるため、家計の状況によっては借入当初の支出額を重視した方がいいと判断するケースもあるでしょう。つまり、「現在」で考えると楽天銀行の方がいいという判断も可能です。

重要なことは、常にこのような住宅ローンなどの商品の選択をしているかどうか

今回のARUHIを選ぶか、楽天銀行を選ぶかは人それぞれです。家計を分析した上で選ぶのであれば、合理的な選択をしていると考えられます。しかし、最初からARUHIしかなくARUHIを選ぶのと、楽天銀行との違いを正しく理解してARUHIを選ぶのとでは意味が違うと考えています。様々な場面で、勝手に選択肢を減らされていることに注意しましょう。なお、必ず表のような結果になるとは限りません。比較検討する際には必ず皆さんの条件で試算してください。